OB通信|2008年12月追い出し試合レポート



「22」この数字はこの試合で行なわれたスクラムの回数である。

特に前半は15回もスクラムが行なわれた。全22回の内、ノックオンやスローフォワードによるスクラムは16回。現役、OB共にボールが手につかずイージーミスを連発。密集ではバタバタと倒れ、立ってプレーすることができず安定したボーキープができない。OBハーフ団でのパスミスも目立った。後半こそ何とか持ち直したものの、プレーしていた本人たちは歯がゆかったに違いない。そしてマネージャーや観戦してくれた人たちに見応えあるラグビーを見せることができず、申し訳ない気持ちで一杯である。

そして15人集まらなかったOB。
創部50年を迎えようとする中、OBは今一度、指針を定め直すべきではないか。

OBボールのキックオフ、深めに蹴り入れ敵陣ゴール前まで入るが、現役SO谷中の好タッチキックで陣地を戻される。OBラインアウトとなるが現役がインターセプト。しかし、現役ハーフ団のパスが乱れOBが敵陣22m内まで攻め入る。この後、ラックの攻防で二三度攻守が入れ代わるが、ルーズボールに素早く反応したPR兼若がゴール前に突進し、最後はFL湯川(この試合助っ人できてくれたディスカバリーでのチームメイト)がトライ。(5ー0)

幸先の良いスタートをきったOBは、ここから得意のモールと接近戦の強さをみせ、SH葛原のタッチキックで再びゴール前まで攻め込みチャンスをつくるが、連携の乱れもあり、なかなかトライを奪えない。現役もCTB三木のライン突破やPR本城のスピードあるサイドアタックで反撃の糸口をつかみかけるがラックでのボールキープが甘く、チャンスを広げることが出来ない。お互いにイージーミスが多く、前半10分を過ぎた段階でスクラムの回数はすでに10。あまりにも多すぎる。

混沌とした時間がしばらく続き、迎えた前半15分、OBは敵陣22m左タッチライン際でモールをつくり前進、バックスに展開し一番外までボールをまわし最後はフォローについていたCTB松田がパスを受けトライ。(12ー0)

このトライをきっかけに試合は徐々にOBペースに。密集ではナンバー8ハマーンの力強さとPR兼若のボールへの絡みが際立ち、FL井川のサイドアタックがゲインラインをきる。BKではCTB松田の突き刺さるタックルで相手の攻撃の芽を摘む。
前半22分、現役BKのパスをインターセプトしたSO澤がトライ。(17ー0)

続く26分、敵陣22mでのラインアウトからモールで前進し、SO澤のショートパスにトップスピードで走り込んだCTB松田が突破。ゴール前で捕まるがオフロードパスを受けたハマーンがトライ。(24ー0)

29分にもスクラムから同じ展開でCTB松田が走りきりトライ。(31ー0)ここで前半終了。
OBは大量リードで前半を終えたものの、密集でのボールキープに安定を欠き、BKの連携ミスも多い。後半へ向け、立て直しをはかる。

後半開始早々、敵陣22m付近でPKを得ると、ハマーンがクイックスタート。二人三人とタックルを振りきり、パスを受けたHO内山がトライ。(38ー0)

しかし、ここから現役の反撃を受ける。現役SHが二年生の入澤から四年生の岡部に代わったことで攻撃のテンポが速くなり、リズムよくボールを動かす。OBは粘り強いディフェンスで現役に好機をつくらせないものの苦しい我慢の時間帯が続く。

後半10分、OBは自陣22mまで攻め込まれるが、SO澤のロングキックをCTB松田がチェイスし好タックルで相手のミスを誘い、ルーズボールに反応したSH葛原からハマーン、FL湯川とつなぎトライ。(42ー0)

このトライで現役に傾きかけていたリズムを断ち切ったかと思われたが、その2分後、OBはPKをタッチラインに蹴り出せなかったことが仇となり、カウンターを食らいトライを許す。(42ー5)

そしてピンチは続く。トライ直後のリスタートから現役SO谷中とCTB木戸に30m近いゲインを許し再びゴール前まで攻め込まれる。しかし、OBはここで再び接点での強さをみせ、ピンチをしのぐ。

ピンチの後にチャンスあり。ここからOBのトライラッシュが始まる。
後半17分、敵陣10m右タッチライン際でモールをつくるとハマーンのサイドアタックからガットでボールを受けたLO羽川がラインブレイクし、ラックから素早い展開でボールをまわし、WTB染谷がトライ。(49ー5)

続く19分、FW間で細かくボールをつなぎトライ。(56ー5)

23分にも現役BK3がキックの処理を誤り、チェイスしていたCTB松田が抜け出しFL湯川につなぎトライ。(63ー5)

26分には自陣10mからCTB松田が5人を抜き去り、ゴール前でフリーのハマーンにパスするが、まさかのノックオン。ボールを地面に叩き付けて悔しがるハマーン。

そして試合終了間際、敵陣10m付近でFL井川、LO羽川、PR兼若が細かくつないでラックから素早くさばき、ボールを受けたSO澤が4人をかわしトライ。(70ー5)ここでノーサイド。

OBはCTB草地のライン突破が2,3度あったが、後続が展開の選択を誤りトライに結びつけることができなかった。あの場面でもっと楽に展開していればあと3トライは奪えただろう。また、この試合OBはキックを多用したが、その都度献身的にボールを追ってくれたWTB染谷と東京から帰って来たWTB兵頭無くしてこの戦法は成り立たなかっただろう。そしてPR尾中さんとLO藤井さんは60分を通して22回ものスクラムを組み、後半20分を過ぎてもボールに絡みつづけるプレーには底無しの気力と体力を感じさせられます。

一方、現役に求められるのは、とにかく低く鋭いタックル。これにつきる。また、BKで同じムーブのサインを多用する場面が多く見られたが、トップスピードでシンプルに縦を突かれる方が我々としては止めにくい。男子入学生の数も減り、部員の減少で練習マネージメントが満足に出来ないこともあると思うが、高い意識を持って日々励んでほしい。


(2009年5月号より、レポート:19年度卒業 澤)

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